2010年7月1日木曜日

case:2

丸顔に黒に近い栗色の巻き毛。

二重の目でその上下はほとんど平行になっていて、そんな目の形の人特有の目力に、ヘレナのラッシュクイーンで黒い粉砂糖まぶしたみたいなたっぷり睫毛。
まぶたには必ずラメでギラギラ。

そんなきれいめだけど角度によっちゃファニーな感じに見える頭部で、服装は薄いピンクだったり水色だったりパールがついていたりで絶対膝丈のスカート、シンシアローリー。

今日空いてるぅ?
っていう誘いに乗って会いにいくと、
貴女に会えて今夜は最高よぉ!っていうテンション(実際近いこと言ったりする)で迎えてくれてちょっと愛しい、自分が大好きな女。

会って話すときは昼のカフェでも居酒屋でもいつも似たような感じのこと。
自分のことを大切にしてくれない、とか、相手の奥さんがめんどくさくて、とかいう不満を軽く吐き出す。
マクドナルドの新商品まじまずいんですけどぉー!くらいの軽さ。

ま、それは当然の如く毎回違う相手の話なんだけど、違うのは私が知りもしない相手の名前だけ。

私が感じるのは、そんな風に不遇っぽくてもちっとも気にしてなくて、とにかく自分の好きにやってるのよぉっていうポーズをとりながらどぎついラメでギラギラしてる自分が一番好きなんだな、っていうこと。

そんな自分大好きな女とたまに会ってくだらない話するの、嫌いじゃない。

2010年6月30日水曜日

case:1

小柄で黒くて腰まである長い髪。
いかにも愛玩動物みたいなにゃーにゃーいう声にほんの少しかかったアルコールと煙草の膜。
整った顔。(特に、主張しすぎない二重の目とぽてっとした唇のバランスは絶妙、だと思う)

適当にまとめると、可愛さの中に妙なエロさがある。そしてそのバランスはくるくる入れかわる。

そんな感覚を与えてくる彼女はセックスをしない。
正しくいうと、セックス「できない」。

挿入が気持ち悪くて具合が悪くなってしまうそうな。
吐き気がして、実際にはいちゃうんだって。

好きになってもセックスできないっていうのは不便だよ。とか。

とりあえず手と口どっちがいい?ってきくけど。とか。

そんな話をききながら、狭い店のカウンターで彼女にすすめられるがままに我が体内にはアルコール、アルコール、アルコール。

彼女はにかにか笑いながら私にチュウ。
かちゃかちゃかちゃって口内でピアスが触れ合って。
酩酊した頭で金属の味ってこんなんだっけ?とかぼんやり思ったりした。